人間の三大欲求は「食欲」「睡眠欲」「性欲」とされているのが一般的であるが私はこの「性欲」にだけ違和感を覚える。

確かに「自分の意識とは関係なくコントロールしにくい」という点で他2つの欲求と共通しているが何か異質さを感じる。

私は昔から性欲を欲する時、そこには"自分"の他に独立した何かがあるいう感覚があった。自分自身では望んでいないのに欲する大きな力によって突き動かされる。私はそんな違和感を感じていた。

また、睡眠欲・食欲が生まれつき存在するのに対し、性欲は思春期の頃になって発現するものである。

そして幼少期の人間 という期間で考えると、他に重要な欲求が存在する。

ある有名な実験がある。

 神聖ローマ帝国の皇帝フリードリヒ2世は生まれたばかりの赤子を50人集め、同時に育てる実験をした。但しその赤ん坊に話しかけたり、あやしたり、機嫌をとったり、愛撫したりすることを禁止させた。入浴や食事など生命維持に必要なことは許したが、一切のスキンシップを禁じたのである。

その結果どうなったか。

50人の赤ん坊全員が死亡したそうだ。一年もたたずに。

必要な栄養や睡眠を摂取していたのにも関わらず生きることができなかったのである。別の時代にも同様の実験が行われたが結果は同じだった。

また1950年には動物実験も行われており、生まれたてのサルの目の前に 

・母サルに似せた、ただの人形
・ミルクが飲める針金のサル人形

の二種類の人形を用意した。すると生まれたてのサルはただの人形の方を選び、決して離れなかったという。

メカニズムは分からないが、そこから考えるに「(生物同士の情緒的)繋がり」のほうが「性欲」より根元的で強力な生物の欲求なのではないだろうか。

性欲は思春期から始まり年をとるにつれて衰退していく。絶対に必要なものではなく子孫を増やすための機能のひとつだと考える。一方で他者とつながりたいという欲求は生まれてから死ぬまで消えることはない。こちらの方が食欲や睡眠欲と同じく、根源的な欲求の気がしないだろうか。

この繋がりというのは何も恋人や妻を指すものではないと思う。友達や兄弟家族、ネットでの交流なんかも繋がりに含まれると思う。現実の人間関係が希薄で「ネット依存」に陥る人はは画面の向こうに繋がりを求めるからだと考えると納得がいく。

ただこの「繋がり」というのは誰でも良いわけではなくてどこか自分を理解してくれる人、一緒にいて落ち着く人、波長が合う人などを求めるのではないだろうか。だから繋がりを欲する反面相性が合わず互いに傷ついたりすることもあるのだろう。

また若いうちは性的な魅力の女性ばかり男性は追いかけるが、年をとるとお互いの精神的繋がりや理解を重視するようになることも「性欲<繋がり」の根拠の一つではないか。なので外見的魅力だけで結婚すると離婚する可能性も多いのだろう。

ここで、ひとつの問いかけをしてみたい。

架空の話だが、目の前に5億年ボタンがあるとする。

あなたはこれを絶対に押さなければいけないとする。ただし、その際2つのオプションを選べることにする

Aオプション:「毎日素敵な女性(女性なら男性)と日替わりで出会える」

Bオプション:「5億年間一緒に付き添ってくれる女性(女性なら男性)を一人選べる(ただし触れることはできるが性行為ができない)」

であればどちらのオプションを選ぶだろうか。

「そんなもんAに決まってんだろ!いい加減にしろ!」とあなたは思うかもしれない。しかしこの条件であると長期的に見てAオプションの方が苦むことになると私は思う。たしかに短期的に見れば性欲の発散によって孤独を紛らわすことはできるだろう。しかし根本的な孤独感は消えない。性欲は機能であって自己ではない。Aでは自己が満たされることにならない。私が何故Bを選ぶかというと、愛情や他者との繋がりで心を満たすことは、性欲を満たすことに勝ると思うからである。そしてそれが可能なのはBのみである。Aは日替わりの為お互いを理解する時間もないし、性欲しか満たせないだろう。そしてその過程で狂暴さが拡大する。さらる快楽を追求し心は歪んでいずれは欲の限界に突き当たるだろう。そのようになってからでは5億年間を耐え忍ぶのに必要な悟りも開けなくなる。

しかし多くの人がAを選ぶことだろう。またAのような「仮想現実で欲求を最大化する装置」というのも近い将来確実に現れると私は予想する。しかし自制を無くし、欲の追求の結果二度の大戦と今日の環境問題、富の集中、格差社会までもが生まれたのではないだろうか。

(一体何の話をしているのだろうか。)

私が伝えたいことは、欲求や利害関係を求めない「繋がり」こそが大切だと思うということだ。もしあなたに信頼できる仲間、家族、パートナーがいればその関係を大切にしてほしい。

なぜそんなことを言うかというと、もうすぐ3月だからだ。

3月は1年で最も自殺率が高い月だというデータがある。これは3月は年度末となることから、繁忙期に入り残業や休日出勤が多くなるためである。

そして睡眠時間の減少や、家族や仲間とコミュニケーションをとる時間もとれなくなり、そうした状況が「最後の一押し」となってしまうそうだ。

だからそんな時助けを求められるような「繋がり」が大切である。

何故なら人間は生きていくのに「繋がり」が必要不可欠な動物だから。
















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.....繋がりを欲する度にギャンブルで埋めようとしたのが私です。







 


おわり