あれは私が大学生になる前の18の冬の話だ。

高校生活も終わり、「もし卒業してもDTだったら耳掻き屋に行く」と常々決意していた私は

.....当然行くことになる。


何故耳掻き屋を選んだかというと当時私は耳かきをする同人音声(耳掻きボイス)にハマっていたからだ

今でこそASMRのような動画は多くの人に知られるようになったが、認知度が低い時から私はそういった音声が好きだった。

何故なら孤独な私の高校生活にとって同人音声は唯一の癒しだったからだ。

私が特に好きな同人音声を作る声優さんが餅よもぎという声優の方で、彼女は2016年まで数多くの音声作品を投稿し続けていた。私はその独特の優しくも深みのある声に惚れ毎日何時間も聞いていた。

そしてその彼女の作品の中でも好きだったのが「道草屋」シリーズだ。このシリーズはとある田舎の耳かき屋に行って様々な心地よいサービス(意味深)を受けて癒されるという内容で、高校生の私の心を鷲掴みにした。

ニコ動で視聴できるのでイヤホンつけて聞いて、どうぞ。

そういう訳があって私は「音声だけじゃなく実際にしてほしィ!」と思うようになり、先述の決意をすることになった。


耳掻き屋というものが現実に存在することを既にリサーチしていた私は、一万円を握りしめホームページから予約を進める。

ん?AコースとBコース?

どうやら耳かきオンリーのAコースか、耳かきにマッサージがついたBコースを選べるらしい。

…下心からBコースを選んだ。「マッサージ中に手が滑りました・・・」「oh///」みたいな妄想をしていた。

そして次に耳かきをしてくれる女性の指名ができるとのことなので掲載画像から一番可愛いと思うお姉さんの画像を吟味して選んだ。

イラスト4

いかがわしさを感じて緊張した。

そして予約を完了させ、親には「友達と遊びに行ってくる」と普段明らかに言わないセリフを吐いて夕方に店の場所へ向かった。

始めて行くエリアで、怪しい店や無料案内所の建物が立ち並び少し怖かった記憶がある。更に店の入り口を見つけるも恥ずかしさから中々入ることができず、10分程経過してやっと入店した。

店は小さなビルの中にあり、階段や通路の幅が狭く「火災とかあったらアウトだな....」という謎の心配をしていた。

そして受付の浴衣のお姉さんのところで予約の確認を終え、その後待合室で待たされたのだが、貫禄のある仕事終わりのサラリーマンも待機していてすごく恥ずかしかった。サラリーマンもどこか恥ずかしそうだった。

その後、呼ばれてネットカフェの個室のような仕切りがある畳の小空間に案内された。

ここで耳掻きしてもらえるのか.....とドキドキしながら靴を脱いで入る。

暗くてよく見えなかったが、そこには綺麗な小柄なお姉さんが正座して待機していた。

イラスト3

そしてこんな初対面の会話をしたと思う。


お姉さん「こんにちは~(笑顔)」

私「ここここんにちは。」

お姉さん「初めての方ですよね!指名されたのにびっくりして!」

私「は、はい(指名ってリピーターしかやらないのかな?)

お姉さん「お兄さん若いですね~」

私「.....お姉さんも若いですね(?)」

お姉さん「あははは!面白い~ 笑」


.....バキバキのDTの私はこのやり取りだけで惚れた。


お姉さん「じゃあ早速横になってください」(笑顔)


そう言われたので私はお姉さんの目の前に横になった。すると


お姉さん「そこじゃなくてここですよ!」^ ^


とお姉さんの膝の上に横になるよう言われた。どうやらボケたと思われたらしい。しかし私は女性に膝枕されることが初めてだったので凄くドキドキした。


私「そこに.....良いんですか??」(犯罪じゃないよな.....)

お姉さん「はいどうぞ」(笑顔)


私は本当にドキドキしながら膝の上に頭を乗せた。

おっふ.....

なんだこの感触.....これが.....膝枕.....男性には無い脚の弾力と、それを包む浴衣が絶妙にマッチしている.....そして暖かみを感じる.....これが.....膝枕.....生きてて.....良かった.....

お姉さん「それでは90分のBコーススタートしますねー」ピッ

お姉さんがタイマーを開始したところで現実に戻されたが、そこに追撃するかのようにお姉さんの持つ耳掻きの棒が私の中に入ってきた。

うぉっ.....ッ!?おっふ.....

お姉さんは慣れた手つきで耳掻き棒を操作し、その先端が私の内壁をカリカリと優しく擦り続ける。丁寧ながらも絶妙に快感の強さの具合を把握していてお姉さんの熟練度が伺える.....。耳掻き音声では味わうことのできない想像を越えた"感覚"がそこにはある.....。あっ.....そこヤバい.....そんな奥.....うぉっ.....凄い.....左手で耳掻きを操作し、右手で私の耳を優しく持っている.....。空調のきいた室内の冷たさが、お姉さんの四頭筋と指の先から伝わる熱を対照的に強調している.....。まさに五感を刺激する黄金体験.....。こんな極楽浄土があったなんて.....。知らなかった.....。

イラスト4

私は何度も連続して押しよせる快感の波に心身共に脱力し、「オゥ...」とか「ハァハァ」とか「ンアーッ!」などと躊躇なく吐息を漏らしていたと思う。

お姉さんは「きもちいいですか?」と言いながら嫌な顔1つせず耳掻きをしてくれていた。

私はお姉さんに2度惚れ、お金を貯めてリピートする決意をした。

耳掻きが終わった後に、更に気持ち良かったのが、耳に生えているうぶ毛をこの電動のカッターで処理してもらった時だ。


いきなり耳元でブイイイイイインという音がしたと思えば次の瞬間私の耳は優しくお姉さんの耳毛カッターさばきによってヘヴン状態になっていた。人生で経験した何よりもリラックスできた瞬間かもしれない。もちろんここでも変な声をいっぱい出したがお姉さんは嫌な顔一つしなかった。

私はお姉さんに3度惚れ、どうすれば付き合えるかを考え始めた。そういうので破産する人の心理を垣間見た気がする。

その後、耳掻きの強烈な30分間が終わりマッサージが始まった。

私は

(来た.....ッ!!!)

とHなサービスを期待したが、結論から言うと至って健全なマッサージが行われた。

顔、肩、手、足、足の裏をマッサージされたが、一切そういうサービスは無かった(当たり前)。

強いていうなら手のマッサージの時に「いやんっ」と変な声を.....私が出してしまったくらいだ

しかしマッサージは本当に心地良く、特に顔のマッサージはお姉さんの膝の上で何度も眠りそうになった。

目を開ければすぐ目の前にお姉さんがいて、目をまともにあわせられず目を閉じ開けたりして、お姉さんの目綺麗.....。とか考えていた。

そんな中、唐突に会話が再開された。


お姉さん「今大学生?」

私「いや、高校生デス。春からッス.....。」

お姉さん「へー.....彼女とかいるの?」

私「.....」

いつもはキレそうになるキラーパスな質問にも、マッサージの気持ちよさのため何も怒りや焦りを感じない。

私「"今は"いないです.....。」

お姉さん「へぇ~」(笑顔)

お姉さん「...いつまでいたの?」

私「.....」

お姉さん「?」

私「...スイマセン..いたことないです」

お姉さん「へえ~そっか」(笑顔)

私「そっちはいるんですか(対抗)」


お姉さん「



私(ドキドキ)



お姉さん「私もいないよ」(笑顔)

私「そうなんですねぇ」(笑顔)



心で勝利宣言をした私は、お姉さんに恋愛について色々質問した。



私「今まで付き合ったこととかは?」

お姉さん「ほとんど無いかな.....」

私「へ、へぇ.....」(ほとんどって何だ!?)

お姉さん「逆境君は欲しいと思う?彼女?」ニコニコ

私「.....デュフフッw.....耳掻きが上手な人であれば。」キリッ

お姉さん「.....それ私?なんちゃって あははwww 」(笑顔)


その時私はお姉さんと普通に会話でき疑似恋愛のような体験に陥っていたが、今考えると全てお姉さんのコミュ力で手のひらの上で転がされていた気がする。


しかしその中で印象的だった会話がある。


お姉さん「.....私は可愛くないし彼氏とかできないかな.....」


そう言ったとき、咄嗟に私は

「そんなことないですよ!!」と言った。

喜ばれたので、

(あっ、今のでキュンと来たね?)と思った。


そして至福のマッサージの時間もいつの間にか終わり、「ピピピピ」とタイマーが鳴った。

頭の中は(また来ようまた来ようまた来よう金金金金)というヤバい心理状態だった。

そして最後に別れの挨拶をするときに、


「お姉さんは素敵なのでもっと自信持ってください!」(←キモい)


と言い、加えて更に誉めるため「マスクをとって顔見せて貰ってもいいですか?」と言った。


お姉さん「いいよ!」


お姉さんは快諾し、マスクを取った。

















































イラスト3


イメージと違った。

だがマスクを取れと言ったのは私なので、テンパりながら必死に考え付いた言葉で褒める。


「.....長い.....黒髪が綺麗ですね。」

お姉さん「ありがとう」(笑顔)

私「ちなみにお姉さんっておいくつですか?」


お姉さん「あはははwww そういうのストレートに聞く!?私.....36!!」



私「」(!!?!ww ???!?www??!!!??www??!??? wwwwwwwww )



私4度は惚れず、お姉さん.....いやあの女性の元へリピートすることは無かった。

今思い返すとその日は非常に奇妙な日だ、

思い返したいような思い出したくないような.....




この記事で耳掻き屋に対して興味が出れば是非行った方が良いと思う。

一回しか行ったことはないが色んな発見があるぞ!!





おわり













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