人々がオリンピックを見守る中、小田急線で男が包丁を振り回し4人が刺された。

この刺された4人に全員意識があること、これは不幸中の幸いだった。


彼が何を思って包丁を握りしめ電車に乗ったのかは知らないが、もし彼と数時間前に私が会うことができたら強く抱きしめてあげたい。

抱きしめて「一緒にゲームしようぜ」と言って一緒にゲオに行きゲームを選んでプレイしたい。

それでも殺意が収まらなかったら私自身がサンドバックになってもいい。


万事が煮詰まったこの社会。社会の下層の下層の誰かが艱難辛苦を背負い、疫病を背負い生きている。

たまたま自分がそのクジを引かなかっただけで、必ずその最下層に位置する人間が、360°八方ふさがりになり「殺傷」という道を選ぶ。

彼自身に選択肢は無い。希望も無い。「殺傷」という道しかない。

他の道を選べない。選べないようになっている。

富める人間と最下層の人間が必然的に発生するように、この世界はなっている。

運命というしかない。刺した彼も、刺された人も、そういう運命だったとしか考えられない。

私には救うこともできない。その疫病を背負う覚悟もない。変えることもできない。

しかし他人事とは思えない。


ただ人々が押し付け合ったストレスや、悪意の捌け口の行き着く先

それを一身に背負い、地獄の瀬戸際で生きている人間が山ほどいるのだ。